いつまでもこんな日常が続くと思ってた

俺の隣で笑うのはこの先もずっとお前で、

そんな俺らを茶化す仁王

「 邪魔すんなよ! 」とか言いながらも楽しんでる俺がいて

そんな日々が好きで  楽しくて




なのに、壊したのは、俺だった―――…























俺との出会いは、どこにでもあるような出会いだった

偶然同じクラスになって、偶然お隣さんの席で

俺、こんな性格だからさ、誰とでも仲良くなりたくて

いっぱいいっぱい話しかけた

は最初戸惑ってたみたいだけど、次第に笑う回数も増えていって

いつしかの笑顔を見るためにバカなこといっぱいしたり

バカな話いっぱいしてたんだっけ

あの時は気付かなかったけど、

たぶん、きっと、お互いに惹かれあってたんだと思う





















「 な、今日帰りアイス食べに行こーぜ! 」


「 えーまた? 私は昨日も食べたからいいや 」


「 あーあ。ブンちゃん、振られてしまったのう 」













いつしか、俺との仲を茶化す仁王が加わって

気づけば、3人で話すことが多くなった

仁王が俺を茶化す度に、俺はつい「 うっせーなあ! 」とか言っちゃって

それを見た仁王がククッて意地悪そうに笑うから、俺はまた口を出してしまうわけで

こんなの、毎回のことなのに、は飽きもせず幸せそうに笑ってたっけ

俺も俺で、の幸せそうな笑顔が見たいからって毎回毎回、仁王に食ってかかるんだけど




俺って不器用だからさ、あんまり大事にしてないかと思われちまうかもしんねーけど

やっぱ、の笑顔を、守っていきたいって柄にもなく思うわけで





はやっぱ他の女なんかと違って、すげーいい女だと思う

ほんと俺にはもったいないくらい

が笑えば、周りも自然と笑顔になるし

の声は透き通るように綺麗で、思わず聞き入っちゃうくらいだし

の優しさは…なんつーか、全てを包み込んでくれるような感じ




他の女と違って、媚びたりしないし




だから、俺はずーっとのこと大好きなんだろうなって思う

もきっと俺のことずっと好きでいてくれると思う

…ってこんなこと言ったら自信満々みたいに聞こえるかもしれないけど

ほんと、が俺に対する態度ってひとつひとつに愛がこもってる

俺はちゃんと、それを受け止めてるから


























「 なあ、丸井。お前さん、まだ女の呼び出しに応えとるんか? 」












最近の仁王はよくこんなことを言う

どうも、俺が他の女の告白に「 ほいほい 」とついていくのが気に食わないらしい









「 まーたお説教かよ。いつも言ってんだろぃ?ちゃんと断わってるって 」










そう、俺は告白をされると分かっていて女の子についていく

それは別にその子が気になるからとかそういう分訳じゃなくて、

ちゃんと「 俺にはがいるから、ごめん 」と言って断っているし


でも、最近は前よりも告白されることが多くなった

たぶん告白される時のお菓子だけは受け取っているからだと思う

だって、もし俺が受け取らなかったら、もしかして捨てられるかもしんねーだろ?

そしたら、もったいねーし、お菓子だって可哀相だろ

それに俺、甘いもん好きだし









「 お菓子が食いたいなら、に作ってもらえばいいじゃろ 」










たしかにそうだ  に作ってもらえば、俺なんか超嬉しいし、他のお菓子なんていらねーよ?

でも、昔1度だけお菓子作ってもらったことあるけど、

その時は何時間もかけて作ってきてくれたようで、「 はい 」と俺に手渡したんだけど

徹夜して作ったせいか寝不足のようで、いつもよりぎこちなく笑ったんだ

俺のみたい笑顔はそんな笑顔じゃないし、そんな風に笑わせてしまうなら

そんな風に疲れさせてしまうなら、無理させたくないって思ったんだ









俺が黙ったままなのを見て、仁王はため息をつく

そして言ったんだ























「 がどんだけ悩んどるかも知らんくせに… 」












その声は小さすぎて、


俺の耳には届かなかった…











20080923