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気付いた時には、君の隣に丸井がいた それでも丸井の隣で笑う君は、どんな君よりも輝いていたから 幸せそうに笑う、君が好きだったから だから、 だから… もう一度笑って、くれないか? 丸井は俺とちがって、自分からどんな人にでも話しかけるタイプだ だから隣の席になったにもいつものように話しかけ、 それをきっかけに仲良くなっていった 俺は同じ部活で割とよく話す丸井をきっかけに、と話すようになった 初めて話したときは、あまりに綺麗に笑うもんだから眩しく思えて目を細めたっけ そうしたらは何か勘違いしたみたいで「 機嫌わるいんですか? 」なんて聞いてくるし 「 そんなことないぜよ 」って答えたら、ホッとした笑みを浮かべた きっと、そのときから に惹かれていたんだろう… だけど、それが恋であることに気付いたときは 既に君は丸井の彼女だった… でもだからと言って、態度を変えるつもりもなければ 離れる気もなかった のことは好きだけど、 丸井は俺の仲間だから 仲間として好きだから 大好きな仲間と 大好きな人 二人が幸せなら、それでいい 俺はその二人を見守る立場にいられれば、それでいい それで、よかったのに―――… いつからだろう がこんなに不安そうな顔を見せるようになったのは 丸井が他の女に呼び出される度、その女の元へ行く背中を見る度 は泣きそうな顔で丸井の後姿を見つめるのだ そんなに丸井は気付いていない こんな顔した、を 俺はいつもの元まで行き、屋上へと誘う 屋上でしか彼女は心の中を見せてはくれないから けれどその日の彼女は、俺の見たことのない涙を浮かべて たくさんの涙は自然と溢れて雫となって落ちていく その瞬間、俺はこの状況についていくことができなかったけど 自分たちが教室にいることを思い出して、すぐ屋上へ誘った こんな風に泣く彼女を、俺は知らない… 屋上についてからも、彼女は泣き続けていた 俺は慰め方も知らないし、なんて言葉をかけたらいいのかも分からなかったから ただひたすら、の頭を撫でていた ああ、どうしてだろう いつからこうなってしまったんだろう 俺はただ、君の笑顔が見たいのに どうして、君はそんなに辛そうに泣くんだ… は思いっきり泣いた後、すっきりしたのかまだぎこちないけれど 「 ありがとう 」 と微笑んだ しばらく話した後、自分たちの教室へと戻った いつもはチャイムが鳴るほんの少し前に丸井は帰ってくるのだが、 この日は珍しいことに、既に自分の席に座っている丸井がいた 「 ったくお前らどこ行ってたんだよ! 」と少し怒ったようにみえたけど どこか楽しそうで、嬉しそうだった 「 !今日も一緒に帰ろーぜぃ! 」 いつものように言った丸井の言葉に、何故かはビクッと肩を震わせていた さっき屋上であんな話をしていたからだろうか いや、たぶん気付いてたんだ 俺と同じように 丸井が何かを決心したような、そんな表情をしていたことに きっといつものように帰ることにはならないと、感じ取っていたんだと思う なあ、どうしてなんだ? どうしての不安に気付いてやれない? 彼女の輝くような笑顔が消えかけていること、丸井は知ってるか? お前は一緒にいて楽しいし、同じ目標を追いかけている仲間として好きだけど 今の丸井はとても好きだとは言えない 頼むから、これ以上、彼女から笑顔を奪い去らないでくれ―――… 20081012 |