大切な仲間を

大好きな友だちを

これほど、憎いと思ったことはない



お前だったから、彼女を任せられたのに・・・




























丸井とが一緒に帰った日

…と言っても毎日のことだったが  丸井に違和感を感じた、あの日

俺はその次の日いつも通りに教室に到着して、クラスメイトに挨拶を返す

そんな中、の姿を目で探すと、彼女は自分の席に着席していた

それを見つけた俺はの席まで近寄って行き、「 おはようさん 」と声をかける

「 あ…おはよ 」 そう返したは、俺が来たことに気付き俺を見上げたわけだが

たぶん笑って返したつもりなんだろう… でも、笑顔じゃなかった

無理して笑っていた

泣き腫らしたのか赤くなった目

今にも泣きだしそうな辛いと訴えている顔

それを悟らせまいと思って、笑ったつもりだったんだろう

違う奴が見たら分からないかもしれない けれど俺はずっとお前を見てきたから





あぁ、昨日の違和感は、あたってしまったのか…  そう思った











「 …サボるぜよ 」










返事も聞かずに手首を持ち立たせると、は文句も言わずについてきた

俯いてわずかに肩を震わせている

たぶんまだ泣いてはいないと思うが、時間の問題だろう



いつもの場所――屋上に着くころには目から涙が溢れていた




でも俺はやっぱりどうしたらいいのか分からなくて、の頭を撫でることしかできない

何て切り出したらいいのかも分からない

ただただ、が話し出すのを待つことしかできなかった…







「 …っ、た 」


「 え? 」







何分そうしていただろうか、 嗚咽混じりの声では小さく呟いた








「 わた、し…フラレちゃ、った… 」







「 好きなのに・・・大、好きなのに、他の子が、す…きなんだっ、て… 」








その言葉を発した途端、今まで以上に泣き出したは全身で辛さを訴えている

どうしてだろう  あんなに幸せそうに笑うはどこに行ったんだ…

二人が幸せだったらそれでいい 二人が笑っていられるならそれでいい

そう思ってひたすら二人を見守ってきたつもりだ

俺の気持ちは押し殺してでも


あぁ、痛い  の辛さを全て理解してやれることは出来なくとも

俺の、胸がどうにかなってしまいそうなほど痛い…



の泣く姿を見ていられないのか、

自分の胸の痛みを我慢出来ないのか、それは分からないけれど

俺の体は気付けばの小さな体を抱きしめていた










「 …思う存分泣いたらよか。 俺が傍におる。 」










そう言って俺は、更に力強く、でもの小さな体が壊れてしまわないように抱きしめた

それに応えるようにはギュっと俺のシャツを掴む

こんなことでの痛みが消えるわけでもなければ、俺の痛みも消えるわけではない

分かっていることだったが、こうせずにはいられなかった



知らず知らずのうちに、俺の目から暖かいものが流れてゆく…







の笑顔は、あの幸せそうな笑顔は、消えてしまった

消してしまったのは…丸井

すまんが俺はお前のことを許せそうにない…


  お前に、を任せることはできない


もう二度とあの笑顔は戻らないかもしれない

もう二度とあの日々は戻ってこない



それでも俺の手で、の笑顔を取り戻したいと思った

俺なんかの力で支えになるのなら、この先どんなに辛いことがあっても傍にいる

どんなに時間がかかっても、どんなにくじけそうになろうとも






俺は、君が好きだから







神様という存在を信じたことはないけど

誰に言えばいいのか分からないから、俺は、あんたに誓う






俺が、彼女を守る―――…






いつか、俺の好きなあの笑顔に戻るまで











20081019